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©さかもと未明・美里繚子／秋水社OLIGINAL

いつのことかもわからぬ昔。中原の大地には幾つもの国が乱立し、互いに覇を競っていたという。そしてこれは、そんな世に永く栄えた国が滅んだ時のいわく美姫のものがたりーー。夏国の帝は、「世継ぎを作ることが仕事」と皇后に毎日責められ、不能気味になっていた。帝の妹、美（メイ）姫も、直系の子孫を残すため、男たちに抱かれていた。「そう、これは血を絶やさぬ為の退屈な儀式。母の言いつけを守り、毎日、愛してもいない男達と交わる」肉体はどんなに快楽を与えられても、心は渇いていくだけ。「ああ、私の心を熱く満たしてくれるような男に巡りあいたい。そして生きていると感じたい！」そんな中、皇太后は先帝の血を引く男と淫らな交わりに耽っていた。

才色兼備の傾国美女の皆様、御機嫌麗。羊頭狗肉（月曜担当にく）です。
春和景明な日々が続き、花鳥風月もいよいよ花紅柳緑なものとなってまいりました。
日頃、皆様のご愛顧いただき、歓天喜地の思いで春風満面であります。
中国の歴史ものを取り上げるからって四字熟語でなくても良いのですが、これだけはお伝えしたい。
好色愛好、絶対正義。

今回ご紹介するのは、美里繚子先生作画、さかもと未明先生原作の『美姫紅楼夢・弄ばれる美姫』(秋水社OLIGINAL)です。

いくつもの国々が治乱興亡を繰り返してきた古代中国。
千軍万馬が入り乱れ硝煙弾雨やまぬ戦乱、権謀術数が張り巡らされる政治闘争。
その渦中で愛は狂おしく燃え盛り、大海が沸騰し、山脈が噴火する！
群雄割拠の戦国時代、宏大無辺の地を舞台とした恋愛官能サスペンス！

皇太后が次々と先帝の愛妾を粛清していくという血なまぐさいシーンから始まる。
幼帝に降りかかる恐れのある危険を排除する為に妊婦まで……。
冷酷無残！それ程までに苛烈な政治からは、美姫も逃れることはできない。
豪華絢爛な金殿玉楼の極みというべき王宮にあって、金枝玉葉の貴い姫として手厚く守られながらも、世継ぎを作る道具のような虚ろな日々。
退屈に苛まれ、砂を噛むような焦燥に駆られた姫は「西の塔」の秘密に近づいてしまい……。
物語が惨劇の様相を強める中、宿命に引き裂かれながら、なお求めずにはいられない愛の行方は……！？
「俺は夏国よりもお前の方が欲しい」

重厚な歴史浪漫の香りたちこめる、烈火の如き熱愛と濃艶な交情。どちらも贅沢に味わえる、錦上添花の淫夢。

この紹介記事の四字熟語を葦編三絶、熟読玩味すれば、漢字検定で百億万点だ。