『凪子の話』後藤
BL《ボーイズラブ》こんにちは、シュガーです。
年のせいか、クーラーによる乾燥のせいか、最近めっきり涙もろくなってまいりました。
そんなシュガーが、またもや電車の中で泣かされた作品がこちら。
凪子の話
真面目で品行方正な海原和也。 派手で少し軽いところのある山治浩平。 幼なじみで親友のふたりは、高校でも目立つ存在だった。
和也と初めて会った瞬間、凪子は彼に恋をしていた。 だから、彼の幼なじみの浩平が 和也に恋していることに気づいてしまう。 そして、和也を好きだからこそ、
彼の心が誰を想っているのか気づいてしまう。 交差する想いの行方は……
は?BLなのに、女子の名前がほぼタイトルとは、何たることか。
OKOK、わかりますよ。BLワールドに女子不要というご意見があるのは重々承知です。
でもいいんです。この作品はあらゆる意味でBLを超越した、愛と青春と友情と人生の物語なのですから。
性別?この際、横においておきましょう。
それでも納得いかない場合は、この作品をそもそもBLと思わないところからはじめましょう。
凪子目線から始まるストーリーは、ほとんど王道少女漫画。
幼なじみ+彼らと知り合う女の子(凪子)の高校生~大人になる成長と恋の物語。さらになんとなんとBL要素もあるよ!お徳でしょ!?というセールストークで「あら、じゃ読んでみようかしら?」と思っていただけると幸いです。
片想い…切ないですね。
この作品で描かれるいくつかの片想いは、それぞれに共感できることがあって、いちいち胸にキます。
誰かを悪役にしてしまえばスッキリするのでしょうが、「優しさ」を具現化したような健気で一途で控えめな恋してる彼らの誰が悪なんて決められない。
ていうか、もっと性悪であって欲しかった、もっと言えばしょうもない悪女ビッチで、マジゲスであって欲しかった。
一途で優しくて、ここぞと言う場面で自分を貫いてしまう強さを持つ女…凪子おおおお!天使ですか、あなたは!?
画面でたびたび涙する彼らと一緒に、自分も目の前が潤んでしまう、そんな作品です。
三人の交錯する恋の行方、恋の行く末は、純粋すぎて眩しい。
久し振りに『純愛』という言葉に相応しいBLを読んだ気がします。
http://gigicomi.com