『兄弟ですが、他人です。』
BL《ボーイズラブ》みなさま、こんにちは!田中です。
久しぶりに、ツボな兄弟BLに出会いました。
兄弟ですが、他人です。
【電子限定版】描き下ろし番外編「犬も食いません!」収録。
●官庁に勤めるエリートでイケメンな春輔(しゅんすけ)。一見パーフェクトな男だが、実は血の繋がらない兄・巧弥(たくや)を溺愛する中二病の超ブラコン!! 親の離婚で離れ離れになっても、ずっと兄を想い続けていた。ある日、貧乏な劇団員の兄と義母が、お金に困っていることを知った春輔は、二人を家に呼び戻そうと画策するが――!?
個人的に、兄弟よりは会社員であったりクラスメイトであったりと、他人である二人がどう出会って恋に落ちていくのかという過程に萌えるのですが、この作品は私の好みなど超越して心に響きました。
倫敦巴里子先生の作風としては少し珍しく、シリアスな雰囲気が漂う今作。
といっても、コミカルなギャグも本筋の邪魔をしない程度に入っており、ダーク展開はちょっと…というハピエン主義の私でもとても読みやすかったです。
官庁に勤め、頭も良く、加えてイケメン、という非の打ちどころのないような攻めの、病的なまでのブラコン感がこの作品の見所の一つではないでしょうか。
”兄がすべて”という信念がいっそ清々しいですね。最初は隠しいる(つもり)のですが、兄にはバレバレ。だだ漏れなので周囲にもバレバレ。
後半はもう開き直っていたりするのが微笑ましいです。
受けの巧弥は天真爛漫な性格かと思いきや、実は目論んでいることがあり―――!?
とギャップ萌え人間にサービスたっぷりな展開でした。有難うございます。
っていうか
お父さんが元奥さんのことを大好きすぎてヤバイ
喋るだけで真っ赤って…!!パパかわいいよパパ…!!!
ちなみに同時収録されている「鍵のかからない檻」はなかなかのシリアス展開でございます。
好きな人を痛めつけてしまう、そんな自分の異常な性癖に悩む遥。「自分もきっと人にやさしくできるはず」と望みをかけて引き取った大介との、少し歪んだ愛のお話。
その異常な性癖への向き合い方が
誰かに優しくすることで自分は普通なのだと思いこもうとした逃げる遥に対し、自分へ向けられる愛を異常なものと知りながらも真正面から受け止めた大介、という対照的なもの。
二人ともどこか普通じゃない、そんな雰囲気に惹きこまれる作品となっておりました。
どちらのお話も、一癖あるキャラにドキッとします。
ぜひぜひチェックしてくださいね!
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