『同級生』映画公開ですし…『薫りの継承 』

BL《ボーイズラブ》

こんにちは、シュガーです。
週末、公開された映画『同級生』、観てきました。
それはもーーーーう、良かったです。映画館で身悶えて参りました。

そういうことで、本日は中村明日美子先生のこちらの作品をご紹介します。

薫りの継承
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©中村明日美子/リブレ出版

比良木忍は兄といっても、血の繋がりはない。義理の兄だ。竹蔵は後妻の連れ子として、比良木家に迎えられた。兄はいつも冷たく汚物のように、竹蔵を見下す。深い嫌悪と憎悪に満ちた射殺すような視線。毎日毎時毎秒、兄に殺され続けていた。竹蔵は兄に欲情していた。ある晩、竹蔵は正体を偽って兄の寝室に忍んだ。義姉の香水を身につけ、兄の目を覆い隠す。そして、己の欲望の猛るままに兄の体を貫いた……。義理の兄弟、禁断の愛と確執を描いた衝撃作。(引用:GiGicomi)

『同級生』が、甘酸っぱい、青春、トキメキ、キラキラなどなど、BLのきゅんきゅんしたステキを凝縮したような作品であるのに対して、本作『薫りの継承』は、禁断、淫媚、執着、確執などBLの背徳感をこれでもかと濃縮して叩き付けてきます。

血の繋がらない義理の兄弟。
兄・忍、弟・竹蔵。

竹蔵が兄に思いを寄せていることを見抜いたのは、忍の息子・甥である要。その夜、要に手引きされて竹蔵は忍への思いを遂げることになる、物語の冒頭。

ここでもう、かなりの禁忌。
まず、要…甥っ子。まだまだ幼さ残る彼が、よりによって、父親をその弟に差し出すような真似をするのか。そして、同室でその様子を見ているのか。
深い闇に浮かび上がる歪な情欲のかたち。

二人の現在と過去を描きながら、物語は進みます。
初めての夜から、交流を断っていた兄の突然の訪問から始まる二人の秘められた逢瀬。
出会い、幼少期、少年時代、思春期…二人の重ねてきた月日。

徐々に浮かび上がってくるのは、お互いのお互いに対する、憎悪や愛情だけでない複雑な思い。
それらが、明かされるのは、実に淡々としていて、終着点に近づいていくのがわかるのに、読むことを止めることが出来ません。

忍と竹蔵、2人の情事の際のお約束のアイテムがあります。
表紙にも描かれている黒い目隠し。
そして、タイトルにもある薫り。
目隠しは、エロなプレイしては艶かしいアイテム…目隠しの意味は語られてはいませんが、この作品では軽くない存在です。
目隠しはエロい、でも、二人がいつか目隠しを外して抱き合えるときが来るのか…と祈らずにいられません。

そして、この物語のまさにキーパーソン、要と、彼の気まぐれな思いつきこそ、兄弟二人が禁断の扉を開けてしまう鍵となり、そして要自身の禁断の扉の鍵は…
むせ返るほど濃密で、罪深い愛の世界をご堪能ください。

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20160222


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