生きてくことに不器用だから、心も体も傷つけずにはいられない少年たちの話。『僕は天使ぢゃないよ。』

BL《ボーイズラブ》

みなさんこんにちは。今日も相変わらずBLを読み続けているキムキムです。
以前もちょっと懐かしい作品も紹介したのですが、今日はその2弾。
純粋だったキムキムに衝撃を与えた問題作かつ名作。小野塚カホリ先生の『僕は天使ぢゃないよ。』です。

↓クリックで作品詳細に移動
79219
©小野塚カホリ/ジュネット

「僕は犬である。名前はポチ。16才2カ月だ…」 好きな男にはどんな扱いを受けたって、平気だと思ってた。でも、ポチとはいえ、僕は生きてる。
--生きてくことに不器用だから、心も体も傷つけずにはいられない少年たちを描いた、鬼才・小野塚カホリの初期作品集。
(引用:GiGicomi)

紹介文にも書かれていますが、この作品、冒頭がとても気になる+衝撃です。「僕は犬である。名前はポチ。16才2カ月だ。」ですからね。しかしこの主人公の少年、「ポチ」は、別に本当に犬なわけではありません。ただ立場的にそうだ、ってことになってます。
「ポチ」は普段は体を売ってお金を稼いで生活しています。学校には行ってるけど、絵を描くこと以外にはあまり興味のない、どこか歪んだ少年です。そんな「ポチ」は、ある日学校で「関」という、綺麗な顔をした男の子を発見し、一目惚れしちゃいます。ポチの熱い視線を感じた関も、ポチに近寄ってきて、二人は上手くいくのかと思いきや…関くんはとても暴力的な子で、ちょっとしたことでもすぐ暴力を振ってくるのです。それでも一途に関くんのそばにいるポチにある日忌まわしい出来事が………ネタバレはここまでにしておきましょー。

すでに少し書きましたが、この話、それまで甘いラブラブ作品だけ読んできた純粋だったキムキム(笑)にはちょっと衝撃でした。なんでしょうね、登場人物の行動はあまりにも現実的なのに、みんなの考え方や話しの展開が意外すぎるというか。そして痛々しい。誰かに出会う→恋に落ちる→幸せになる、じゃなくて、最後幸せになるのかもしれないけれど(ならなかったりもしますけどね)、その途中の人の暗い感情や曖昧なところを痛々しいくらい生々しく表現しているんですよね。ハッキリしてないのでもやもやしますけど、それが逆に魅力的で。キムキムはこの作品をきっかけに、ちょっと暗めだったり痛い作品も見れるようになりましたよ。
そしてなんか漫画というよりも文学って感じがするんですよね。実際作品の中にも文学やポエムの一部が引用されたりして。とてもアーティスティックな作品です。

こうやって痛い青春を描いた『僕は天使ぢゃないよ。』の他にも、読み切りが何編が入ってますが、登場人物のみんなには共通点があります。
1. みんな若い
2. 生き方が不器用
3. 考え方がちょっとズレてるかも?
やっぱりもやもやしちゃう。でもその中に共感できてしまうポイントがあって、それが心をガーンと打つのですよ。久々に読み返したのですが、またガーンとされましたね。
今GiGicomiに小野塚先生の新しい作品が配信されていたので、「そういえば!」と探してみたらあってとっても嬉しかった、キムキムの懐かしい作品その2弾『僕は天使ぢゃないよ。』でした。興味がわいてきたあなた!是非どうぞ!
bt


Leave a Reply

Copyright © GiGicomi.com. All rights reserved.